「経費ルールは整えたつもりなのに、なぜか現場では守られていない…!」
そんな課題に直面していませんか?
ルールを正しく整備することだけでは不十分で、それをどうやって現場に根づかせるかの工夫が重要です。ルールが守られなければ、経費管理は形骸化し、ムダや不正、経理の属人化を招く恐れもあります。
この記事では、「ルールが守られない理由」と「現場に浸透させるための工夫」を具体例とともに紹介します。
♦️ルールが定着しない理由(現場負担・曖昧さ・意識の差)
曖昧なルールでは現場は動けない
・「この出張は交際費?それとも旅費交通費?」
・「この備品は経費精算していいのか?」
ルールが曖昧だと、現場は判断に迷い、勝手な解釈が生まれます。特に例外が多いと、「あの人はOKだったのに、自分はNG」といった不公平感や混乱を招きます。
現場にとって”面倒なだけ”に見えてしまう
・入力項目が多すぎる
・フォームが複雑
・説明がなく、不適切
このように、現場からすると「経費申請は手間が多くて億劫」なものになってしまい、本来の目的を理解する前に”避ける”対象になります。
ルールの背景や意味が伝わっていない
「なぜこのルールがあるのか」を現場が理解していないケースも多くあります。
経費ルールの背景 | よくある誤解 | 本来の意図 |
---|---|---|
交際費の制限 | ケチっている | 税務リスクの回避 |
領収書添付の義務 | 形式的な手順 | 電子帳簿保存法で決まっている |
申請期限の設定 | 融通がきかない | 月次締め・資金繰りの正確性を保つ |
♦️運用の定着に必要な3つの視点(シンプル・繰り返し・仕組み化)
シンプルにする|減らせる項目は減らす
ルールを守ってもらうには、「守りやすくする」ことが第一歩です。
例えば…
・項目を最小限にし、初回登録で済むものは再入力不要にする。
・経費申請フォームや承認フローの見直しで、5分以内で申請完了できる設計を目指す。
繰り返す|定期的なリマインドと周知
ルールは一回伝えただけでは定着しません。繰り返し伝える仕組みが必要です。
☆周知の工夫
・リマインド通知
→月初・月末にチャット通知やメール配信
・周知コンテンツ
→社内ポータルにルールやQ&Aを掲載
・定期研修
→月1回のオンライン説明会や部署ごとに経費申請勉強会を実施
仕組み化する|ツールにルールを埋め込む
ルールを「頭で覚える」のではなく、「ツールが自動で判断する」状態を目指しましょう。
機能 | 効果 |
---|---|
勘定科目の自動振り分け | ミスやばらつきを削減 |
経費対象外の自動アラート | 不正申請・ムダな申請を防止 |
承認ルートの自動設定 | 属人化を回避し、スピード化 |
♦️「経理の属人化」から脱却するルール運用のヒント
💡経理申請~仕訳までのフローを見える化する
現場にとっては「誰が何を見て判断しているのか」が不透明な場合も。
申請から仕訳・承認・支払いまでの流れを図にして共有することで、自分の入力が支払にどう影響しているか、立替経費の返還に影響しているかを実感してもらえます。
💡引継ぎできる”ルール運用マニュアル”を整える
ルールは口頭伝達やExcelだけでは属人化の温床です。
以下のような運用マニュアルの整備が有効です。
・操作画面付きのガイド
・チェックリスト形式での簡易手順
・よくある質問と対応フローの記載
💡現場との”対話”を通じて制度をアップデートする
ルールが守られていないのは「現場が悪い」のではなく、ルールそのものが現実に合っていない可能性も。
現場からの声を取り入れ、柔軟にルールを見直すことが、持続可能な運用につながります。
♦️まとめ|ルールが回れば、経理はもっと”楽”になる
ルールを作るだけでは、意味がありません。
守ってもらえるルールにするには、以下が欠かせません。
・シンプルで守りやすい設計
・繰り返しの周知と教育
・現場を巻き込んだ運用の仕組み化
経理がラクになる仕組みを一緒に作ることが、全社の生産性アップにもつながります。