資金が足りないとき、どこから調達する?

資金が足りないとき、どこから調達する? 経営

事業を続けていると、資金が一時的に不足することがあります。

「黒字なのにお金がない」「支払が間に合わない」といった場面では、早急に資金調達を検討しなければなりません。

ただし、資金調達の手段はさまざまで、それぞれにメリット・デメリットがあります。

本記事では、主な資金調達の手段とその使い分けについて、経営目線でわかりやすく整理します。

♦️融資の検討

金融機関からの融資の流れ

最も一般的な調達手段が、銀行などの金融機関からの融資です。

「いつ、いくら、何のために借りるか」を明確にし、準備を進めることが重要です。

融資の基本フロー

ステップ内容ポイント
①事前相談信用金庫・銀行への相談資金の使途を明確にして伝える
②必要書類の提出決算書・資金繰り表・事業計画など最新の資料を用意する
③審査財務状況や返済能力の確認過去の実績と将来が問われる
④契約・入金金利や返済条件に同意語資金が振り込まれる無理のない返済計画が必須

融資の種類

・運転資金:仕入や人件費など日常の資金繰りに使う

・設備資金:新規設備・システム導入など長期的な投資に使う

💡ポイント

急ぎの場合は、日本政策金融公庫や信用保証協会付きの制度融資を活用するのも有効です。

♦️補助金・助成金の活用方法

補助金や助成金は、返済不要な「もらえる資金」ですが、申請のハードルはやや高めです。

採択されるには、時間もかかるので準備とタイミングが非常に重要です。

よく活用される補助金・助成金

助成金・補助金名対象特徴
小規模事業者持続化補助金
https://www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/
広報費・販路開拓など50~200万円、採択率は30%~50%
IT導入補助金
https://it-shien.smrj.go.jp/
業務効率化のITツール導入最大450万円、ツール指定あり
雇用調整助成金https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_20200515.html雇用維持に伴う助成社会保険労務士の関与が推奨される

引用:https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/

補助金活用のポイント

・募集時期をチェック:年に数回のみ。公募に注意

・申請書の完成度がカギ:定量データや将来効果の記述が重要

・専門家の支援も活用:中小企業診断士や商工会議所のサポートを使う

⚠️注意点

交付決定前に契約・支出した費用は対象外となる場合が多く、事前準備が必須です。

♦️売掛債権・ファクタリングの注意点

すぐに現金が必要な時、売掛金を早期現金化できる「ファクタリング」も選択肢です。

しかし手数料が高く、乱用は資金繰りを悪化させる可能性もあります。

ファクタリングの種類と特徴

種類特徴向いているケース
2社間ファクタリング自社とファクタリング会社のみで契約売掛先に知られたくない場合
3社間ファクタリング売掛先・ファクタリング会社・自社で契約手数料は低め、売掛先の同意が必要

注意すべきポイント

・手数料は5%~20%程度が一般的(高額)

・継続利用すると「資金ショートの連鎖」に陥る可能性

・信頼性の低い業者との契約リスク

♦️まとめ|借りる前に、調達の”目的”を明確に

資金調達は、単なる「資金の穴埋め」ではなく、経営の意思決定です。

調達手段によっては、将来の資金繰りに負担を残すこともあります。

資金の使途適した手段備考
一時的な資金ショート融資(短期)金利・返済条件に注意
設備投資融資(中長期)・補助金返済期間を事業収益に合わせて設計
業務効率化補助金・助成金採択率・スケジュールに注意
急ぎの支払いファクタリング短期的な対策策として限定的に活用

資金繰りの改善には、調達と同時に「支出の見直し」や「入金タイミングの調整」も不可欠です。

📚シリーズ最終回では、「攻めの資金繰り」や、KPI・経営計画とキャッシュフローの結びつけ方を解説します。

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