黒字なのに資金がショートする___
それは「いつお金が出ていくか」をコントロールできていないからかもしれません。
資金繰り改善と聞くと「売上アップ」を思い浮かべがちですが、キャッシュフローをラクにする方法をご紹介します。
本記事では、支出タイミングと支払サイト(支払条件)を見直し、キャッシュフローをラクにする方法をご紹介します。
♦️支出タイミング次第で、資金は残る
売上はあるのに、手元にお金がない…それは、支出が”先に”発生しているからです。
主な支出と資金へのインパクト(例)
支出項目 | タイミング | キャッシュへの影響 |
---|---|---|
給与・社会保険 | 月末or翌月10日 | 固定支出 |
家賃・光熱費 | 月初or前月末 | 毎月決まった支出 |
仕入代金 | 納品前払い/月末払いなど | 前倒しだと資金を圧迫しやすい |
外注費 | 月初払い/納品時払い | 支払い条件の工夫でキャッシュ改善可能 |
設備投資 | 一括支払い | 高額支出が一気に出ると危険 |
💡ポイントは「金額」より「タイミング」!
支出の時期を少しズラすだけで、資金繰りに余裕が生まれます。
♦️「売上が入る前に、支払っている」会社は危ない
資金繰りを悪化させる最大の原因は、「回収サイト<支払サイト」の構造です。
たとえば、売上が翌々月にはいるのに、仕入れは翌月に払っていたら、”入る前に出る”構造になってしまいます。
理想は”入ってから出す”構造(例)
項目 | 現状例 | 改善例 | ポイント |
---|---|---|---|
売上回収サイト | 月末締め・翌々月末入金(60日) | 月末締め・翌月末入金(30日) | 入金を早める |
仕入支払サイト | 月末締め・翌月15日支払い(45日) | 月末締め・翌々月末支払い(60日) | 支払いを遅らせる |
資金ギャップ | -15日(支払が早い) | +30日(入金が先) | キャッシュフローが好転 |
💡支払サイトの交渉ができれば、無理に借りなくても資金繰り改善が可能です。
♦️支出を”後ろ倒し”にした実践例
具体的な実例を見ると、「なるほど、これならできそう」と思えるはず。
以下は実際に中小企業で行われた見直しの一部です。
実践例とその効果
項目 | 見直し内容 | 効果・メリット |
---|---|---|
仕入代金 | 前払い→翌々月末払い | 60日間の猶予ができ、資金残高に余裕 |
外注費 | 月初払い→成果物納品後・翌月払いに変更 | 先払いリスクの低下。納期遅延にも対応可 |
設備投資 | 一括購入→リース契約(月額払い) | 初期コスト圧縮。月々の支出を平準化 |
見直しの工夫パターン一覧
支出項目 | 従来の支払方法 | 見直しパターン |
---|---|---|
仕入 | 納品前の前払い | 月末締め・翌々月末払い |
外注費 | 月初一括払い | 成果ベース+翌月支払い |
設備購入 | 一括購入 | 割賦払い、またはリース契約 |
年契約の保守 | 年額一括払い | 月額払い・半年ごとの分割払いなど |
💡支払い方は「交渉次第」で変えられます。遠慮せず、一度相談を!
♦️まとめ|売上アップよりも先に、”出るお金”を整えよう
資金繰りを良くするには、「いかに入れるか」より「いかに出すか」を整えることが近道です。
支払サイト・支出タイミングを調整すれば、今あるお金で乗り切れる機関が伸びる=倒れにくい会社になるということ。
まずは、小さな支出から__そして仕入先や外注先と話しながら、自社の資金体質をじっくり強化していきましょう。
📚第四回では、融資・ファクタリング・補助金…何をどう選ぶ?判断軸を解説します。