経理の外注でありがちな失敗とは?中小企業が避けるべき落とし穴と対策

経理外注、やめた理由とは?ありがちな失敗を防ぐ方法 経営

第三回の記事では、業務の切り分けと内製すべき範囲を解説しました。

「経理業務を外注すれば、社内リソースを本業に集中できる」ーーこう考えて経理ソーシングを導入する中小企業は少なくありません。

しかし、「思ったよりうまくいかなかった」「やめた方が良かった」という声も一定数存在します。

本記事では、実際に起きた経理外注の失敗事例をもとに、原因と教訓を深堀り。

中小企業が外注を成功させるために知っておくべきポイントを解説します。

失敗事例①外注先と連携ができず、月次処理が遅延

◇状況

記帳代行と月次作成を外注をしていたが、社内での証憑提出(領収書や請求書など)が遅れたことで、月次処理が予定より2週間以上遅れてしまった。

◇主な原因

提出物・スケジュールのルールが事前に決められていなかった

◇対策ポイント

業務フローを図解や一覧表で可視化し、社内と外注先の担当範囲や提出期限を明確にしておくことが必要

失敗事例②安さ重視で選んだ外注先、質が低すぎた

◇状況

月額1万円未満という格安の記帳代行サービスを利用していたが、ミスが頻発。記入漏れや資料の誤りが多く、税理士との連携も取れずに何度もやり直すことになった  

◇主な原因

・担当者が経理の基礎知識をほとんど持っていなかった

・ダブルチェックやレビュー体制が整っておらず、ミスを見落とすリスクが高かった

◇対策ポイント

・「安さ」だけで外注先を選ばず、業務経験やレビュー体制、品質チェックの仕組みがあるかを事前に確認すべきだった

・トライアル契約を導入することで、本契約の前に実際の業務品質を短期間で見極める機会を設けることで、安心して判断できます。

失敗事例③経営者が数字を見なくなってしまった

◇状況

経理業務を全般(記帳~支払い)を丸ごと外注していたが、経営者が数字に目を通さなくなり、最終的な判断も感覚だよりになってしまった

◇主な原因

・経理を完全に外部に丸投げしており、社内で数字を確認する習慣がなかった

・経営者自身が、資金の流れを自分ごととしてとらえていなかった

◇対策ポイント

・外注していても、経営者自身が数字を見る姿勢を持つ 

失敗を防ぐために、外注時に押さえておくべき3つのポイント

📌業務分担を明確に図示

誰が、いつ、何をやるのかを複数人が関わる業務の流れを共有

📌品質と対応範囲の確認

外注先のレビュー体制、経験、責任範囲を契約前に要チェック

📌定期レビューの場を設ける

月次や四半期で進捗・品質をチェック。任せきりにしない姿勢が重要

まとめ「任せきりにしない」外注が成功のカギ

経理の外注は、中小企業にとって非常に有効な選択肢です。

しかし「任せれば楽になる」という考えだけでは、むしろリスクを招きかねません。

重要なのは、経理を外注しても「数字と向き合う力」は維持すること。

📚第5回では今後、経理業務を外注から内製に切り替えたいと考えている方へ_そのステップを紹介します❗

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