資金繰り表を作ってみよう|支払タイミングと契約条件を見直して資金にゆとりを

資金繰り表を作ってみよう|支払タイミングと契約条件を見直して資金にゆとりを 経営

「黒字のはずなのに、なぜ資金が足りないんだろう?」そう感じたことがある経営者の方も多いのではないのでしょうか。

資金の出入りを可視化するために必要なのが「資金繰り表」です。

売上や利益とは違い「いつ・いくら現金が入ってきて」、「いつ・いくら出ていくか」を管理することで、資金ショートのリスクを未然に防ぐことができます。

本記事では、月次資金繰り表の作り方と記入項目のポイントを解説しつつ、契約条件や支払タイミングの見直しによって資金繰りを改善するコツをご紹介します。

♦️月次資金繰り表の基本構成

月単位で現金の動きを把握するための資金繰り表は、以下のような構成で作成します。

基本構成の例
区分内容例
月初残高月初時点での現金・預金残高
現金収入売上入金、借入金、補助金、助成金など
現金支出仕入・外注費、給与、家賃、水道光熱費など
差引収支現金収入−現金支出
翌月繰越残高機首残高+差引収支(=翌月の機首残高)

♦️現金収支をどう見積もるか?

売上は「入金ベース」で管理する

売上を「請求した月」で計上していても、入金されるのは翌月以降というケースが多くあります。

資金繰り表では、実際の入金予定日を記載することが大切です。

支払い条件の見直しで資金繰り改善

たとえば、仕入先への支払を「月末締め翌月末支払い」から「翌々月払い」にできれば、現金流出のタイミングを遅らせることができます。

交渉によっては、支払条件を見直すだけで資金繰りにゆとりが生まれることもあります。

経常支出の洗い出しと予測精度の向上

給与・家賃・水道光熱費・リース代などの固定支出は毎月ほぼ変動がないため、正確に記載できます。

一方で、外注費や広告宣伝費などの変動費は過去の傾向を参考に予測を立てましょう。

♦️テンプレートやツール活用例

Excelでの簡易テンプレート例

以下はExcelなどで作成ができる月次資金繰り表のイメージです。

資金繰り表
項目金額(円)
月初残高1,500,000
【収入】
売上入金2,000,000
補助金300,000
借入金0
収入合計2,300,000
【支出】
仕入代金800,000
給与700,000
家賃200,000
水道光熱費50,000
その他経費150,000
支出合計1,900,000
差引収支400,000
翌月繰越残高1,900,000

※収支差(+400,000)を加味して、翌月の機首残高に繰り越します。

クラウド会計ソフトや管理ツールを活用

手作業での資金繰り管理が難しい場合は、次のようなクラウドツールの活用も検討しましょう。

ツール名特徴

マネーフォワードクラウド
https://biz.moneyforward.com/accounting/topics/5579/
会計データと連携して自動で資金繰り表を作成

freee会計
https://www.freee.co.jp/accounting/
銀行口座や請求書と連動してリアルタイムで管理可能

feliz(フェリス)
https://tact-info.com/cashflow/index.html
・操作性がよく資金の流れを簡単に把握できる
・シュミレーション機能あり

♦️まとめ|正確な資金繰り表が安心と判断力をもたらす

資金繰り表は、単なる表ではありません。

”資金がショートするリスクを防ぎ、安心して事業判断を下すための「羅針盤」”です。

・契約条件を見直せば、現金流出のタイミングは調整可能

・入金ベースで収入を見積もれば、誤差は大幅に減る

・正確な資金繰り表があれば、融資判断にも説得力が増す

「まだ作ったことがない」という方には、まずは1か月だけでも作ってみることをおすすめします。

数字が見える化されることで、会社の経営判断が変わっていきます。

📚第三回では、資金繰り表を作って現状を”見える化”したあとは、”どうすれば「現金残高」を増やせるのか?”について紹介します。

タイトルとURLをコピーしました